エ
『エピクロスとストア』
堀田彰·現代
ヘレニズムの二大学派を対比的に解説する入門書
哲学古代ギリシア
この著作について
清水書院の「人と思想」シリーズ第83巻として1989年に刊行された、ヘレニズム期を代表するエピクロス派とストア派を並置して論じる入門書である。
【内容】快楽主義として知られるエピクロス派と、徳と理性に従う生を説いたストア派という対照的な二学派を併走させ、それぞれの自然学・倫理学・生活思想を平易に紹介する。エピクロスにおけるアタラクシア(動揺なき心)、ストアにおけるアパテイア(情念からの自由)など、用語と概念の対応関係も整理される。両派が共有するヘレニズム的問題意識、すなわち動乱の時代における「心の平静」の追求という共通基盤も浮き彫りにされる。
【影響と意義】「人と思想」シリーズは戦後日本における哲学普及の定番として広く読まれ、本書はそのなかでも対比型構成という独自の工夫で知られる。学校図書館や教養課程の授業で長く使われ、2014年には新装版も刊行されて新しい世代の読者を獲得し続けている。
【なぜ今読むか】ストイシズムへの関心が再び高まる現代において、エピクロス派と並べて学ぶことで、両者の違いと共通点を立体的に把握できる。古代の生の技法を現代に橋渡しする入門として、原典に分け入る前段の見取り図として、なお有用である。
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