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『エックハルト:異端と正統の間で』
えっくはると いたんとせいとうのあいだで
上田閑照《うえだしずてる》·現代
京都学派による定評ある中世エックハルト論
哲学神秘主義京都学派
この著作について
【内容】京都学派の宗教哲学者・上田閑照によるマイスター・エックハルト研究の代表作である。中世ドミニコ会とパリ大学神学部という制度的文脈にエックハルトを位置づけ、神性の根底、離脱(Abgeschiedenheit)、突破(Durchbruch)といった核心概念を丹念に読み解く。さらに著者自身の禅体験を踏まえた東西思想の比較も織り込まれる。
【影響と意義】日本におけるエックハルト研究の到達点であり、教義史的な厳密さと哲学的洞察を両立させた古典である。異端宣告された思想家の言葉を、教会の正統性との緊張関係の内で擁護する筆致は、宗教思想史の方法論としても多くの後続研究を導いた。神秘主義と禅を架橋する試みは比較宗教学にも深い影響を与える。
【なぜ今読むか】信仰や宗教制度との距離の取り方が問われる時代に、本書は「正統の枠の中で異端的な深さに到達する」という稀有な事例を示す。沈黙、無、自己の手放しといった主題は、瞑想や精神性に関心を持つ現代の読者にも示唆を与える。
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