初
『初期仏教 ブッダの思想をたどる』
しょきぶっきょう
馬場紀寿·現代
最新研究を踏まえた初期仏教の入門書
仏教初期仏教
この著作について
東京大学東洋文化研究所の仏教学者・馬場紀寿による初期仏教(原始仏教)の入門書で、岩波新書として2018年に刊行された。
【内容】ブッダの生涯と教えの核心、初期仏典(パーリ語経典群)の成立過程、僧伽(サンガ)の形成と発展、四諦《したい》・八正道《はっしょうどう》・縁起《えんぎ》などの基本教説の位置づけを、最新の文献学・歴史学研究を踏まえて解説する。「ブッダはこう語った」と単純化せず、伝承資料の層構造を丁寧に解きほぐしつつ、それでもなお見出しうる思想の核を提示するという慎重な手つきが特徴である。後の部派仏教・大乗仏教との連続と断絶も視野に入れられる。
【影響と意義】日本では大乗仏教を通じた仏教理解が長く主流であったが、近年の世界的な原始仏教研究の進展を受け、初期仏教の独自性を一般読者に伝える著作が求められていた。本書は新書という形でこの要請に応え、信頼できる入門として広く読まれている。著者は中部仏教研究の専門家であり、その学術的背景が記述の手堅さを支える。
【なぜ今読むか】マインドフルネスや瞑想実践の流行を背景に、初期仏教への関心が高まる現代において、流行と研究水準のあいだを橋渡しする一冊として有用である。仏教思想の根幹に立ち戻りたい読者の最初の一冊にふさわしい。
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