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子どもと家族とまわりの世界

こどもとかぞくとまわりのせかい

D.W.ウィニコット·現代

ほどよい母親概念で知られる小児科医・精神分析家ウィニコットの代表的講演集

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心理

この著作について

イギリスの小児科医・精神分析家ドナルド・ウッズ・ウィニコット(1896〜1971)が、BBCラジオ等での母親向け講演を編んで1957年に刊行した二巻本『The Child and the Family』『The Child and the Outside World』を合本した邦訳である。

【内容】

乳児期から幼児期、思春期に至るまでの子どもの心の発達を、現場の臨床医の視点から平易に語る。乳児が母親との一体感から徐々に「外の世界」を発見していく過程、ぬいぐるみや毛布のような「移行対象」が果たす役割、ほどよい欲求不満が自我を育てる重要性、思春期における反抗の意義などが、難解な精神分析用語をほとんど使わずに語られる。「ほどよい母親(good enough mother)」という有名な概念は、完璧でなく適度に応答する母親こそが子どもの自立を支えるという、現代の育児論の基本枠組みとなった。

【影響と意義】

本書はアタッチメント理論や対象関係論の入門書として世界中で読まれ、保育・教育・小児医療・育児支援の現場で半世紀以上参照されてきた。完璧主義的育児への自然な解毒剤として、現在もなお新しい翻訳・選集が出版されている。

【なぜ今読むか】

育児の「正解」を求めて疲弊する時代に、「ほどよさ」を許す古典的な知恵を取り戻すための一冊である。

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