世
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』
せかいのえりーとはなぜびいしきをきたえるのか
山口周·現代
ビジネスにおけるアート思考の重要性を論じた山口周の著作
ビジネス
この著作について
コンサルタントとして企業支援に携わってきた山口周《やまぐちしゅう》が、人文学的素養の実務的意義を論じて話題となったビジネス書。
【内容】
本書はまず、MBA的な論理・分析・正解探索の思考様式が、VUCA(変動的・不確実・複雑・曖昧)と呼ばれる現代のビジネス環境では却って有効性を失いつつあると診断する。続いて、グローバルのエリート層がアート、哲学、文学、歴史といった人文知に投資する理由を、オックスフォード大学のエグゼクティブ教育、美術館の企業向けプログラム、シリコンバレーの哲学コーチングなどの事例で示す。論理と直観、「真・善・美」のバランス、複雑な状況でぶれない判断を支える内的な「美意識」の役割、教養がどのようにリーダーシップに翻訳されるかが論じられる。
【影響と意義】
刊行後、ビジネス書売上の上位に位置し続け、日本の企業研修や大学院教育で人文知の再評価を促す流れを加速させた。著者の後続著作群と合わせて、「ビジネスと教養」の接点を語る際の標準的な参照点となっている。
【なぜ今読むか】
生成AIが論理と計算を代行する時代に、人間が何によって判断を引き受けるのかという問いはますます切実になる。哲学的読書を仕事の現場にどう接続するか、実践的に考える手がかりを与えてくれる。