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いじめの社会理論

いじめの しゃかい りろん

内藤朝雄·現代

内藤朝雄がいじめを「中間集団全体主義」の権力現象として社会学的に分析した著作

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哲学

この著作について

社会学者・内藤朝雄《ないとうあさお》がいじめを「心の弱さ」ではなく、閉じた集団が必然的に生む権力現象として解き明かした一冊。

【内容】

学校という空間を、逃げ場のないメンバーシップを強いる「中間集団全体主義」と名づけ、そこで発動する「全能感の乱用」としていじめを定義する。加害者・被害者・傍観者の三者に働く力学、ノリや空気による正当化、教師の介入が機能不全に陥る条件などを、豊富な事例と制度分析から読み解く。結論として、クラス単位の固定集団を崩し、刑事罰を含む外部の規範を学校に貫通させるべきだと提言する。

【影響と意義】

いじめを「道徳の問題」から「制度設計の問題」へと移し替えた点で、教育社会学といじめ対策論の潮目を変えた著作。学校制度改革の議論や法整備の文脈で繰り返し参照されている。刊行から20年を経ても色褪せない批判的枠組みを提供する。

【なぜ今読むか】

職場やSNSでも「閉じた集団の全能感」は形を変えて現れる。いじめを構造の産物として見るまなざしは、自分が属するあらゆる場の空気を点検するための道具になる。

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