フィロソフィーマップ

脳とクオリア

のうと くおりあ

茂木健一郎《もぎけんいちろう》·現代

意識の問題を科学と哲学の両面から考える茂木健一郎の日本語入門書

Amazonで見る
哲学

この著作について

脳科学者にして認知哲学者の茂木健一郎《もぎけんいちろう》が、自身の研究の中核主題を一般読者に向けて本格的に論じたデビュー期の代表作。

【内容】

本書はクオリアという言葉の由来と、心の哲学におけるその位置づけから始まる。色や音、痛みや愛情の「感じ」そのものを意味するこの概念が、脳神経科学で扱われる電気信号や化学反応にどうつながるのかが、さまざまな角度から検討される。神経細胞の発火パターン、結合問題、統合情報の議論、チャーマーズの「ハードプロブレム」、デネットの還元主義的提案などが順に論じられ、著者自身は「外部から観察される脳」と「内側から生きられる心」のあいだに橋を架けるには、新しい自然観が必要だと提案する。哲学的な議論と、具体的な知覚実験・臨床例との往復が随所で展開される。

【影響と意義】

日本で「クオリア」という語を広く一般読者に浸透させた一冊として、意識研究のブームのきっかけとなった。脳科学エッセイ、認知哲学、科学コミュニケーションの議論に広く影響を与え、著者のその後のメディア活動の知的根拠を成している。

【なぜ今読むか】

生成AIが「感情を持つように見える」応答を返す時代に、感じる主体とは何かを改めて問い直す必要は増している。専門書と一般書の中間に立つ本書は、現代人の教養として意識の問題を考えるうえで手に取りやすい入り口となる。

この著作で扱う問い

Amazonで見る