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プラットフォーム資本主義

ぷらっとふぉーむしほんしゅぎ

ニック・スルニチェク·現代

現代デジタル経済をプラットフォーム企業の類型から解剖した小著

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経済社会思想

この著作について

ニック・スルニチェク(Nick Srnicek)が2016年に刊行した経済思想の小著(原題『Platform Capitalism』)。ポリティ社の短い論争書シリーズの一冊として、デジタル経済の構造転換を明快に理論化し、左派経済学の標準的文献となった著作である。

【内容】

スルニチェクはまず、1970年代から現在までの資本主義の構造変化を概観する。製造業の利潤率低下とアウトソーシング化、金融化、緊縮財政を経て、2000年代以降は「プラットフォーム」が主要な収益様式として立ち上がった。本書は五つのプラットフォーム類型を区別する。広告プラットフォーム(Google、Facebook)、クラウドプラットフォーム(AWS、Azure)、製造プラットフォーム(GE、シーメンス)、製品プラットフォーム(Spotify、Rolls-Royceのサブスク型エンジン)、リーン・プラットフォーム(Uber、Airbnb)。それぞれが固有のビジネスモデルとデータ収奪構造を持ち、資本蓄積の新しい経路を開く。結論部では、データの独占・市場の寡占化・雇用の不安定化といった帰結が展望され、プラットフォームの公営化や協同組合化といった対抗構想が短く示される。

【影響と意義】

本書はショシャナ・ズボフ監視資本主義、ジョセフ・ヴォーゲル『プラットフォーム経済』、日本では江口允崇ら社会経済学者の現代資本主義論の共通参照点となった。プラットフォーム労働論・AI経済論・デジタル社会主義論の基礎文献の一つである。

【なぜ今読むか】

ギグワーク・サブスク・個人データ利活用が日常化する現在、自分が接する経済様式の全体像を俯瞰するための最短の教科書である。

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