我
『我ら共有の未来』
われらきょうゆうのみらい
国連環境と開発に関する世界委員会·現代
「持続可能な開発」概念を定義した1987年ブルントラント報告書
環境政治
この著作について
ノルウェー首相ブルントラントが委員長を務めた国連「環境と開発に関する世界委員会(WCED)」が1987年にまとめた最終報告書『Our Common Future』の邦訳。通称ブルントラント報告書。
【内容】
環境保全と経済開発の対立を超えた新しい発展概念として「持続可能な開発(sustainable development)」を提唱し、それを「将来世代のニーズを損なうことなく現在世代のニーズを満たす開発」と定義した。気候変動・砂漠化・森林破壊・生物多様性喪失・海洋汚染といった地球規模の環境問題を、貧困・人口増加・南北格差・武器貿易と切り離せない総合的課題として位置づける。技術と政策の処方箋だけでなく、国際協力体制の制度設計にも踏み込んだ提言を含む400ページ余の大型報告書である。
【影響と意義】
本書が定式化した「持続可能な開発」概念は、1992年リオ地球サミットの基本理念となり、その後のアジェンダ21、ヨハネスブルグサミット、2015年の持続可能な開発目標(SDGs)まで、国際環境政策の事実上の共通言語となった。世代間正義をめぐる現代環境倫理の議論にも理論的基盤を提供している。
【なぜ今読むか】
SDGsが浸透した現在、その出発点となった概念がどう生まれたかを原典で確認することは、概念のずれや空洞化を点検するために重要である。