日
『日本の思想』
にほんのしそう
丸山眞男《まるやままさお》·現代
日本の知的伝統の構造的問題を論じた丸山眞男の代表作
社会思想
この著作について
政治思想史家・丸山眞男《まるやままさお》が戦後日本の知的風土を根底から問い直した代表作で、岩波新書として刊行されて以来のロングセラー。
【内容】
本書は、『日本の思想』「近代日本の思想と文学」「思想のあり方について」「「である」ことと「する」こと」の四論考を収める。冒頭の『日本の思想』では、日本には思想が歴史的に蓄積されず、各領域が互いに接続を欠いたまま併存する「タコツボ」型の構造を持つと診断され、その原因が座標軸となる中核思想の不在に求められる。末尾の「「である」ことと「する」こと」では、身分や属性で人を評価する「である」型社会から、行為と成果で評価する「する」型社会への未完の転換が論じられる。天皇制、超国家主義、戦後民主主義の課題が全体を貫く主題となる。
【影響と意義】
戦後日本の知識人の必読書となり、日本思想史、政治思想史、社会学に決定的な影響を与えた。橋川文三《はしかわぶんそう》、藤田省三《ふじたしょうぞう》、石田雄《いしだたけし》ら後続世代の仕事、さらに現代の政治文化論にまで射程が及ぶ。
【なぜ今読むか】
難解な専門語を避けつつ、政治・文学・日常語の微細な観察から社会の深層を抉り出す筆致は、いまも古びない。戦後日本の形と歪みを考え直すための、出発点となる一冊である。
著者
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