あ
『あなたは自由ですか』
あなたはじゆうですか
テッド・ホンデリック·現代
決定論の徹底擁護として知られる自由意志論
哲学自由意志決定論
この著作について
イギリスの哲学者テッド・ホンデリックが、決定論の哲学的擁護を体系的に展開した著作の邦訳である。原書 How Free Are You?(1993、改訂版 2002)。タイトルが示す通り「あなたは自由ですか」と読者に問いかけながら、自由・責任・道徳をめぐる議論を再構築していく。
【内容】
論証の核心は、人間の行為もまた物理世界の因果連鎖の一部であり、神経科学・心理学・社会学の知見はすべて決定論的世界像を支持しているという主張である。ホンデリックは、決定論を真摯に受け止めれば伝統的な自由意志論は維持できないと論じつつも、決定論はニヒリズムを意味しないと強調する。むしろ「自由」「責任」「賞罰」といった概念を再定義し、決定論と整合的な道徳的・社会的実践のあり方を探究する。リバタリアニズムと両立論の双方への鋭い批判を含む、自由意志論争のなかで最も骨太な決定論側の主張として知られる。
【影響と意義】
ホンデリックは『A Theory of Determinism』(1988)でも知られる決定論研究の第一人者で、本書はその一般向け要約版にあたる。英語圏の哲学入門課程で広く採用され、ハリス『自由意志』、デネット『自由は進化する』とともに、現代自由意志論争の三角構図を構成する古典的位置を占める。
【なぜ今読むか】
刑事責任・神経倫理・依存症治療など、自由意志を前提する社会制度の妥当性が問われる現在、決定論の論拠を最も体系的に学べる一冊である。