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ダーウィンの危険な思想

だーうぃんのきけんなしそう

ダニエル・デネット·現代

デネットが進化論の哲学的意義を徹底論じた大著

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哲学

この著作について

心の哲学者ダニエル・デネットが、ダーウィンの進化論が持つ哲学的な射程を徹底的に描き出した科学哲学の代表作。

【内容】

本書の冒頭で、自然選択は「設計者なき設計」を可能にするアルゴリズム的過程であると位置づけられる。デネットはこの発想を「普遍的酸」に喩え、本性・目的・意味・神といった伝統的な観念を片端から溶かしていく力を持つと論じる。そのうえで、生命の起源、複雑な適応、利他行動、文化の進化、言語と心の進化、道徳と自由意志の問題までが、進化論的視点から再解釈される。途中ではスティーヴン・ジェイ・グールドの断続平衡説や「スパンドレル」論への徹底的な反批判が展開され、進化論内部の論争を追体験できる構成にもなっている。

【影響と意義】

英語圏の科学哲学と進化論的人間観の最重要参考書の一つとなり、ピンカー、ドーキンス、ブルームらの著作と共鳴しながら、二十一世紀の心の哲学・文化進化論・AI倫理の議論に基礎を提供している。

【なぜ今読むか】

AIと生命工学が「設計」の意味を揺さぶる時代、「設計なき複雑性」を原理的に理解することは、人間や生命を語る語彙を更新する助けになる。骨太だが、読み抜けば視界が変わる現代哲学の名著である。

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