解
『解明される意識』
かいめいされるいしき
ダニエル・デネット·現代
カルテジアン劇場を否定し意識を分散的プロセスとして再構成するデネットの主著
哲学
この著作について
哲学者ダニエル・デネットが1991年に公刊した、心の哲学の主著。直観的な「心の中にすべてが映写されるカルテジアン劇場」像を徹底的に批判し、意識を多重草稿モデル(Multiple Drafts Model)として再定義した代表的著作である。
【内容】
脳内のどこにも単一の観察者も上演場所もなく、感覚入力は並行して多様に解釈され、互いに競合しながら暫定的な「草稿」として重ね書きされていく。ある瞬間に主観経験として意識されるのは、そのとき支配的となった草稿にすぎず、現象的な意識の「中心」は錯覚だと論じる。ゾンビ論証・クオリア論・自由意志批判も同じ枠組みで一貫して議論される。
【影響と意義】
チャーマーズの難問論と並び、現代心の哲学の対立軸を形成した。認知科学・AI研究・心理学への影響も広く、『マインズ・アイ』の編者デネットの理論的集大成として位置づけられる。
【なぜ今読むか】
生成AIの登場が「意識とは何か」への問いを再加速する今、機能主義的意識論の最も徹底した一例として読む価値がある。