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『20世紀の歴史』
にじゅっせいきのれきし
エリック・ホブズボーム·現代
「短い20世紀」を概念化したホブズボーム最後の歴史叙述
歴史
この著作について
イギリス・マルクス主義歴史学派の重鎮エリック・ホブズボーム(1917〜2012)が1994年に刊行した『The Age of Extremes: The Short Twentieth Century, 1914-1991』の邦訳。前三部作(『革命の時代』『資本の時代』『帝国の時代』)に続く十九〜二十世紀通史四部作の完結編。
【内容】
第一次世界大戦勃発の1914年からソ連崩壊の1991年までを「短い20世紀」と概念化し、三部構成で論じる。「破局の時代」(1914〜1945)は二度の世界大戦・大恐慌・全体主義の興亡を、「黄金時代」(1947〜1973)は戦後資本主義の全面的拡大と社会民主主義の成熟を、「土砂崩れの時代」(1973〜1991)はオイルショック以降の混乱と冷戦終結を扱う。経済・政治・科学・芸術・大衆文化までを並行的に語り、当事者として生きた歴史家の視点が随所で差し挟まれる。
【影響と意義】
「短い20世紀」という時代区分概念は世界史教育の標準語彙となった。ホブズボーム自身が共産党員として生きた経験は本書の批判性と内省を独特なものとしており、賛否を呼ぶ箇所も含めて、二十世紀史叙述の到達点と評価されている。
【なぜ今読むか】
冷戦後の世界がいかに歴史的偶然の上に成り立っていたかを、批判的かつ広い視野で振り返るための基礎文献である。