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パワー・インフェルノ

現代

9.11以後の超大国とテロをめぐるボードリヤール晩年の論集

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哲学社会思想

この著作について

ジャン・ボードリヤールが2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを受けて書いた三篇の論考をまとめた書物である。原著は『Power Inferno』として2002年にガリレ社から刊行され、邦訳はNTT出版から2003年に刊行された。

【内容】

冒頭の「テロリズムの精神」は、世界貿易センタービルの崩壊を、グローバル化した単一権力(パワー)が自らの過剰さによって自壊する出来事として読み解く。続く「パワー・インフェルノ」は、唯一の超大国となったアメリカが対抗者を失ったまま自己の権力に呑み込まれていく状況を、地獄篇のイメージで描出する。最終篇「暴力の再定義」では、近代国家が独占してきた合法的暴力とテロリズムの暴力が、もはや明確な境界をもたないとされる。前著シミュラークルとシミュレーション以来のテーマであった実在とイメージの倒錯が、現代戦の局面でどう作動するかが論じられる。

【影響と意義】

9.11後の知識人による応答として最も論争的なテクストの一つであり、テロリズム論・メディア論・象徴的交換論を結ぶ晩年ボードリヤールの結節点として参照される。

【なぜ今読むか】

9.11 以後のテロリズム論・グローバル権力論を考えるうえで、シミュラークル理論の現代的展開として欠かせない一冊である。

著者

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