怒
『怒りについて』
いかりについて
ルキウス・セネカ·古代
怒りを根絶すべき情念として徹底的に分析したセネカのストア倫理学論文
哲学倫理
この著作について
ローマのストア派哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカが40年代前半に執筆した道徳論文(ラテン語原題『デ・イラ』)。全三巻で、兄ノウァトゥス(ガリオ)に宛てる書簡体をとり、怒りという情念を多角的に解剖した古代倫理学の代表作である。
【内容】
第一巻で怒りの定義(復讐への欲望が快と結びついた情念)とその醜さを、具体的な怒り狂う顔と動物への堕落の形容で提示する。第二巻で怒りの発生の心的プロセスを「最初の衝撃・判断・同意」の三段階に分析し、同意の段階で理性が介入することで怒りを止めうると論じる。第三巻で、既に怒りに囚われた自分・他人に対する実践的対処法を、歴史上の逸話(アテナイの政治家アテノドロス、暴君カリグラなど)を交えて展開する。
【影響と意義】
セネカの『怒りについて』は、中世・ルネサンス・近代を通じて感情管理論の標準参照文献となり、モンテーニュ、デカルト、そして近年の認知行動療法やアンガーマネジメント論の遠い源流となっている。
【なぜ今読むか】
SNSによる怒りの増幅が社会問題化する現代、2000年前の怒り解剖はいまだ最も鋭利な一つ。
著者
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