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大暴落1929

だいぼうらくいちきゅうにきゅう

ジョン・ケネス・ガルブレイス·現代

1929年ウォール街大暴落の心理と構造を生き生きと描いた古典

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経済歴史

この著作について

ハーバード大学の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイス(1908〜2006)が1955年に刊行した『The Great Crash, 1929』の邦訳。大恐慌研究の入門書として読み継がれる古典である。

【内容】

1920年代後半のフロリダ土地ブーム、投資信託の乱立、ブローカーズローンの膨張といったバブル膨張過程を、当時の新聞記事と人物像を交えて生き生きと描く。続いて1929年10月24日「暗黒の木曜日」と29日「悲劇の火曜日」の市場崩壊を時系列で追い、富裕層が示した楽観主義、フーバー大統領の対応、銀行恐慌の波及、デフレ・スパイラルへの転落を、皮肉とユーモアの効いた筆致で叙述する。経済理論の解説書ではなく、群衆心理と制度的脆弱性が連動する金融危機の解剖学として書かれている。

【影響と意義】

統計と物語を融合させたガルブレイスの叙述スタイルは経済史叙述の規範となり、その後のキンドルバーガー『熱狂、恐慌、崩壊』、ガルブレイス自身の『不確実性の時代』などにつながる「文系経済学」の系譜を形成した。リーマン・ショック以降、金融危機を歴史的に学び直す機運のなかで読み直されている。

【なぜ今読むか】

バブルがいかに楽観のうちに膨張し、いかに突然に崩壊するかを、最良の歴史叙述として味わえる必読書である。

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