フ
『フランケンシュタイン』
メアリー・シェリー·近代
科学者が生み出した「怪物」の物語、SFの原型となった名作
文学
この著作について
英国の作家メアリー・シェリーが1818年、18歳のときに匿名で公刊した小説(正式題『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』)。バイロン卿の別荘での怪談会がきっかけで構想されたとされる、サイエンス・フィクションの原型とされる作品である。
【内容】
北極探検家ウォルトンの船に救助された科学者ヴィクター・フランケンシュタインが語る手記形式。大学で学んだ自然哲学と生命の秘密を用いて、死体の断片から人間を作り出したものの、その醜さに絶望して逃走する。捨てられた「怪物」は孤独と拒絶を経験しながら自己形成し、復讐のためにフランケンシュタインの近親者を次々と殺害していく。創造主と被造物の関係、責任と放棄の倫理が、ゴシック小説の枠組みで深く問われる。
【影響と意義】
SF文学の出発点として、後のウェルズ、アシモフ、ディック、ギブソンに続く系譜を開いた。同時に、バイオテクノロジー・AI倫理・人工生命の議論で繰り返し参照される生命倫理の古典。
【なぜ今読むか】
「創造した者の責任」という問いを、AI時代にもっとも先駆的に提起した作品。