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自由の余地

じゆうの よち

ダニエル・デネット·現代

決定論と自由意志は矛盾しないとする両立論を、進化論・科学・哲学を交えて擁護したデネットの重要著作

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哲学

この著作について

心の哲学者ダニエル・デネットが、決定論自由意志は両立すると主張する両立論(コンパティビリズム)を、幅広い思考実験と科学的洞察で擁護した主著。

【内容】

副題「求めるに値する自由意志のさまざま」が示すとおり、本書は「自由意志があるとしたら、どのような自由が私たちにとって本当に意味のあるものか」という問いから始まる。デネットは、「別様に選択しえた」という伝統的な規定を素朴すぎるとして退け、現実の人間が価値を置いている自由、すなわち合理的に熟慮し、将来を予測し、学習し、自己を修正する能力を擁護する。自動人形、デーモン、時間旅行、決定論的コンピュータなど多彩な思考実験を駆使して、「恐ろしげなシナリオ(ブギーマン)」が実は思ったほど脅威でないことを段階的に示していく。

【影響と意義】

フランクファート、ストローソン、ウォレスらと並ぶ両立論の代表的著作として、現代英米倫理学・心の哲学で頻繁に参照される。デネット自身の後続作自由は進化するへと議論が継承され、進化論と心の哲学を接続する思想的系譜の要をなしている。

【なぜ今読むか】

脳科学やAIの進展に伴い、「自分は自由に選んでいるのか、仕組みに動かされているだけか」という問いが一層切実になる。本書は、その問いに動じず暮らすための、知的でユーモラスな処方箋となる。

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